【ソフトバンク・グループ超絶決算】
2月8日にソフトバンク・グループ(9984)は3Q決算(9ヵ月分)を発表しました。結果は純利益が前年度同期比6.4倍で3兆円超えを果たす超絶決算となりました。東京証券取引所によると、3Q時点で純利益が3兆円を超えるのは日本の企業で初めてのことだといいます。
一時は上場廃止の噂もあったソフトバンク・グループ。いったいなぜここまで業績を回復させることが出来たのでしょうか?
【ソフトバンク決算解説】
ソフトバンクの決算を解説する前に、ソフトバンクの収益モデルを理解しなければいけません。ソフトバンクは「携帯電話会社」のイメージが消費者の中では強いと思います(実際に筆者もソフトバンクユーザーです)。しかし実はソフトバンク・グループと別に、携帯電話会社としてソフトバンク(9434)は上場しており、立場としてはソフトバンク・グループの子会社です。
ではソフトバンク・グループの正体は一体何か。一言でいうとソフトバンク・グループは投資会社です。ヘッジファンドといってもいいかもしれません。ソフトバンクの収益は大半がソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)によって占められています。これはソフトバンク・グループの決算資料に明確に記されています。
ソフトバンクの利益変動をまとめたものが以下の図になります
上に記したようにソフトバンク・ビジョン・ファンドは利益が+2.38兆円となっています。これはすごい。。。昨年の同時期は赤字だったにもかかわらず、です。
Doordash(米国No.1オンラインフードデリバリー)
投資額:704億円
時価:9304億円
Uber
投資額:7034億円
時価:1兆1730億円
Guardant Health(AIによる統合血液体検査サービス)
投資額:318億円
時価:2824億円
Relay Therapeutics(AIでタンパク質を解析し創薬プロセスを革新)
投資額:310億円
時価:1200億円
Vir Biotechnology(AIを活用し治療薬・ワクチンを開発)
投資額:206億円
時価:627億円
【ビジョンファンド躍進の理由】
ビジョンファンドがここまで躍進を遂げた理由は主に3つあると思っています。
①株式市場のバブル
1つ目は近年まれにみる株高です。これがすべてといっても過言ではないかもしれません。日経平均株価は予想通り29,000円を簡単に上抜いていきました。コロナパンデミックが発生した3月には17,500円まで下落したにも拘らず、その後の大幅な金融緩和で1年もたたない内に29,000円まできました。
足元を見るとコロナパンデミックから完全に立ち直ってはおらず、むしろいまだ海外渡航などは満足にできません。従って回復したとは到底言えない状況です。にもかかわらず株式市場は約30年ぶりの29,000円を達成しました。好景気によって下支えされた株価の上昇ではないため、完全なバブルといってしまってよいでしょう。ビジョンファンドの投資先は主にアメリカの企業ですが、アメリカも完全なバブルです。しかしこの異常なまでの株高がソフトバンク・グループのビジョンファンドのパフォーマンスを促進する形になったという事です
②投資先の上場
2つ目はビジョンファンドの投資先が次々に上場し、時価総額が急上昇している事です。例えば2020年12月9日に上場したDoordashという会社は約704億円で投資し、現在の時価総額はなんと9,304億円となっています。10倍以上のリターンを残すなど、現在すでにウーバーに次ぐビジョンファンドで2番目の時価総額企業となっています。株高に支えられた投資先企業の時価総額上昇がビジョンファンドのパフォーマンスを支えています。
③アーム株式売却
同社はCPUを製造する半導体企業です。半導体というのはコンピューターすべてに組み込まれており、インターネット社会やAI社会のためには必須のアイテムとなっています。これらの企業の株をすべて売却し、利益確定しました。売却先はエヌビディア社(Nvidia)でこちらも米半導体大手企業です。
その売却価格はなんと4兆円と言われています。株高である状況を利用してソフトバンクは高値でアームの株式を売却し、利益を確定できたという事になります。
【まとめ】
ソフトバンクは完全に投資会社、ヘッジファンドです。完全にコロナ禍の株高によって恩恵を受けた企業といえます。アルファキャピタルの動画でも繰り返し言ってきましたが、今(コロナ禍)投資を始めないと本当に損なのです。現在は未曽有の金余りバブルです。景気が悪いのに30年ぶりの株価水準なんて聞いたことありません。もし投資を始めていたら、あなたの資産は2倍近くになっていたかもしれません。なのに投資を始めず、機会を逃し続けているのだとしたら本当にもったいない。。。
ソフトバンクの決算を見て分かることは「投資をやっていたら大儲けしていたよ」という事です。実際に他の証券会社も好決算ですし、株式市場によって恩恵を受けた人たちがたくさんいることは事実です。ソフトバンクの決算を見て、投資をやっていないことがいかに機会損失になっているのか知っていただけると幸いです。
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