【アルファ・キャピタルニュース】 テスラ社のビットコイン投資
ビットコインへの投資に前向きな理由は2点あると思います。リスクヘッジと話題性です。
【リスクヘッジ】
現在、法定通貨に対する不信感、つまり通貨の下落への心配があります。コロナ禍のなかで、世界の先進各国が量的緩和を採用したことで法定通貨に対する不信感が高まっています。
仮想通貨への投資は、インフレに対するヘッジだと言うことができます。これはどういうことかというと仮想通貨の特徴にあります。
仮想通貨は法定通貨とは異なり、発行枚数を変更することは基本的には不可能です。そのため、多くの仮想通貨では発行上限数を定め、貨幣の価値が維持されるように設計されています。例えば、ビットコインでは、発行上限枚数は2100万枚に設定されています。
2020年10月にモバイル決済サービスのスクエア社が5000万ドル(約53億ドル)相当のビットコインを購入したことを発表しました。
同社がビットコインに投資した理由も法定通貨に対する不信感が原因だそうです。
また、ビットコインに対する関心は、企業だけではなく米国から経済制裁を受けている国家までも高まっています。
例えば、原油安と経済制裁により外貨不足に悩まされているイランでは仮想通貨を輸入資金として利用できるようにデジタル資産関連の法改正を検討しているようです。
そして、アルゼンチンでやトルコなど一部の新興国では通貨の暴落とインフレが深刻化していることから、国民の間で仮想通貨に対する需要が高まっています。
更に若者世代も仮想通貨を好む傾向にあります。
金融メディア「The Tokenist」が2020年4月、17カ国で4852人の参加者を対象として仮想通貨に対するイメージ調査を実施し、次の10年でビットコインを投資先とするかという問いに対して59%の人が肯定に回答したことが明らかになりました。
テスラ社は自社の製品の決済をビットコインで行うことにより、ビットコインの流動性を高め、資産としての価値を上げることを目指しているのではないでしょうか。
また、ビットコインでの決済を導入することへの先進的な取り組みに対する宣伝効果にも期待しているかもしれません。
テスラ社が始めに行うことで、実際にビットコインで決済が行われると話題になり、更なるテスラ社のプロモーションにもつながります。
企業的にも脱炭素の流れのど真ん中をいくテスラ社にとって、EV車の更なる躍進により、ビットコインでの決済が主流になる時代が到来するかもしれないですね。
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